2010年02月01日
感染症の疑いがあるのに出社する社員への対応(3)
1.海外出張中の食事の衛生状態が悪くて感染症
に罹患した場合の業務上災害に該当の可否
疾病が業務上災害と認定されるためには、業務に起因する
ことが明らかである必要があります。
そして、業務起因性の判断基準として、
まず業務遂行制が要求されます。
業務遂行制とは、具体的な業務遂行ということではなく、
労働者が事業主の支配・管理下にあることを意味します。
出張は、事業主の業務命令により、主張先に赴いて業務
を遂行するものですから、原則として出張過程の全般に
ついて事業主の支配下にあるといえます。
そのため、積極的な私用・恣意行為等を除き、
出張中はたとえば食事をとるなどの
私的行為であっても、その行為が出
張に当然または通常ともなう範囲内
のものであるかぎり一般に業務遂行
制が認められています。
この点は国内、国外の出張いずれも同様です。
海外出張に関しては、たとえば帰国後、アミーバ制肝腫瘍を
発症した事案で、出張中に病原体の付着しているエビを食べた
ことによると医学的に推定される場合には、業務上災害と認定
されるとした通達があります。また、急性伝染病流行地に出張
した者が、業務の遂行中に病原体に汚染されて罹患したことが
明らかである場合は、業務上の疾病として取扱うべきとした
通達もあります。
このように、海外主張中の食事による感染については一般的に
業務遂行制が認められることになりますが、ただし、業務遂行制
は第一のハードルで、
さらに業務起因性(業務と発症
との因果関係)が必要です。
この点は、感染経路、潜伏期間、臨床症状、診断、
業務との関連等を十分調査・検討して認定されることになります。
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