この記事は労災補償(通勤災害)について書かれています
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2009年10月08日

労災補償(通勤災害)




今日は個別労働紛争の判例事例について説明します。


労働者AはB社の臨時職員として勤務していましたが、

就業終了後徒歩で帰宅途中、夕食の材料等を購入する

ため、自宅とは反対方向約140メートルの地点にある

商店へ向かっている最中、自動車に突き当たれて

即死しました。

労働者Aの夫および子である原告Xらは、本件事故が

労災保険法上の通勤災害に該当するとして

労災保険給付申請を行いましたが、

Y労基署長は合理的経路を逸脱中の

事故であるとして不支給決定をしました。


その後、Xらは審査請求および再審査請求を行いま

したが棄却されたため、

Xらは当該処分の取消を求めて提訴しました。

しかし、第1審で同様の理由で棄却されたため、Xらは控訴

しました。

遺族Xらは勝ったでしょうか?負けたでしょうか?

考えてみてください。札幌高裁裁判例です。






答えは「遺族Xらの敗訴」です。

では、その理由です。

当時の労災法にいう「合理的経路とは、労働者の住居と就業の場所との

間を往復する場合に一般に労働者が採ると認められる経路をいう」

と解され、往復経路の逸脱とは「通勤の途中において就業又は

通勤と関係のない目的でこの合理的経路をそれること」

また、往復の中断とは「通勤の経路上において通勤とは関係のない

行為をすること」を言います。

本件では労働者Aは食事材料等の購入

を目的に就業場所と住居との間の通常

の経路をそれたことは否定できず、この

ような行為は「住居と就業の場所との

間の往復に通常伴いうる「ささいな行為」

の域を出ており」通勤とは言えない。


そうすると、Aに生じた災害は、往復の経路を逸脱した間に生じたものと認め

ざるをえない。

また、この逸脱がAの日常生活上の必要

に基づくことが窺われたとしても、労災保険

法上の通勤には該当しないという判決でした。


(札幌中央労基署長(札幌市農業センター)事件 平成元年5月8日判決)


  


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合理的な経路を外れると容赦なく、労災は否認されます。合理的な理由がないペッタンは容赦なく認められます。必ずペッタンをすることが大切です。

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