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2008年05月14日

育児休業について

ようこそ、くまさん社労士のブログへ!!face02

今日は育児休業について

考えてみたいと思います。

『C社は婦人服雑貨販売業

の会社です。従業員数は

約40名の中小企業です。

C社のB社長は先代の社長

が急死したことにより、

留学中に呼び戻され社長に

就任したこともあり、仕事

は先代からの番頭である、

D専務にまかせっきりで、

本業に本腰を入れていない

状況です。

ある日、B社長の所へ、

F子さんより、「先日産後休暇を終え、

職場に復帰しましたが、子供を保育所

に入れるため探していましたが、

どうしても空きがないうえ、面倒を

みてもらっている母も実家に帰らなくては

ならないので、育児休業を取らせて欲しい」と

の申出がありました。

B社長はそんな事情なら仕方がないと承認した

のですが、翌日D専務が烈火のごとく怒り

B社長に文句を言ってきました。

「Fさんはフランス語が堪能で、フランスから

の商品の仕入れは彼女を含め二人しかいない

状況であり、それに輸入等の貿易実務をこなせる

のは彼女しかいないので、育児休業で長期間休まれたら

会社が回らない。Fさんはもともと先代が一から

教えて、ここまで育てて今、やっと会社に貢献出来る

ようになったのだから、休みなど言える立場ではない。

また、Fさんの仕事をさせるために人を雇うとなる

と専門的な仕事のため相当高い給料を払わなくてはならない。

それに、大体中小企業で育児休業など

与えている会社はない。」とのことであった。

そのため、B社長はD専務に言われたようにF子さんに

育児休業は与えられないとの通知をしました。


その事件の後、会社の様子が一変し会社の中で社員が

B社長やD専務を睨みつけるような仕草も見られる

ようになりました。

ある日、C社の従業員の半数が同時に同じ日に有給休暇の

申請を行う事件が発生しました。

この時は専務の指示で、取得日が重複しないように

調整してから再度提出するようにと言われ、全員

取り下げることになりましたが、明らかに会社に

対する嫌がられが発生する事態となりました。

この時点で初めてB社長は社労士の先生に相談したの

ですが、社労士の先生が内情を確認した所、就業規則は

昭和60年のもので当然、育児休業の規定はありません

また、残業代も全く払われてなく、有給休暇も与えられた

形跡もない状況でした。

社労士の先生が改善に取り組もうとした時、Fさんを含め

従業員8名から一斉に退職届が提出されました。』

それでは、今回の事例で考えてみたいと思います。

まず、育児休業とはどんなものですか?

育児休業期間は??、対象となる労働者は??



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答えです。

育児休業期間は対象の子供が1歳に

に達する(一定の条件を満たせば

1歳6か月)までです。


次に、対象となる労働者は、1歳に満たない

自分が養育する子供をもつ親で、

日々雇用されるもの以外の労働者です。


期間を定めて雇用される労働者(パートタイマー等)

についても、事業主に雇用されている

期間が1年以上で、子供が1歳に到達した日を

超えて引続き雇用されることが見込まれる

場合は対象となります



次に、もしC社がこのまFさんの請求に対して

育児休業法に違反して、休みを与えなかった

場合は、C社はどんな罰則を受けるでしょうか?



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答えです。

とてもおかしいのですが、育児休業法は

法律で定めれられていますが、罰則規定は

ありません。
ただし、罰則はありませんが、

法律違反であることには変わりなく、

労働基準監督署の厳しい調査がある

ことは覚悟しておかなければなりません。

C社の場合残業代の未払いは大きな

問題となることは必至です。


それでは、本題です。

C社の問題点は何だったのでしょうか?

色々あると思いますが、皆さんが自社の

ことも思い浮かべながら、考えてみて下さい。



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まず、考えられることは、旧態然とした体質

から脱皮していない
とこでは、ないでしょうか?



昔は多くの会社で見られていましたが、

毎月の残業時間は上司からの指示により

決められた時間しかつけられない、さらに、

有給休暇は有名無実となっている等です。

まず、社員自体有給休暇を請求しな

いことも問題があります。


また、C社は法改正にも全く無頓着であった

ことです。就業規則が昭和60年のもので

あったことは、その後の法改正には全く

対応していないことになります。


それでは、質問です。

育児休業の他に子供を養育する

労働者に対しては、どのような

保護規定があるのでしょうか?


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答えです。

1.子の看護休暇制度があります

小学校に上がるまでの子供を育てる

労働者は、事業主に申し出る

ことにより、1年に5日を限度として

子供の世話をするための休みを

取ることができます。

2.時間外労働および深夜業の制限があります。

小学校に上がるまでの子供を育てる

労働者が、事業主に申し出た場合は、

事業主は1月に24時間、1年に

150時間を超えて時間外労働を

させてはいけません。さらに、

制限期間を定めて午後10時から

午前5時までの間労働をさせては

いけません。

3.その他育児休業の対象者で育児休業を

取得しない者に対して、労働者の申し出

に応じて勤務時間の短縮等を行わなければ

なりません。



C社の事例ではB社長は会社経営に全く無頓着で

会社の空気も読んでいなかった、さらにD専務に

ついては、従業員は会社のために骨身を削って

働くものである程度の認識しかなかったということ

です。

結局、C社にとってかけがえのないFさんを始め

8名の従業員を失い、C社は危機的状況になったの

ですが、現在はB社長も心を入れ替え、毎日先頭を

切って営業に飛び回り、少しづつ会社もかわりつつある

そうです。

しかし、どうせ与えなくてはいけない育児休業なのですか

ら、休業に入る前に社長名で赤ちゃん用品を送る、金一封

を送る等をしていれば、予定より早く復帰してくれたり、

また、復帰後も長く勤めてくれたりしたのかもしれません。


本当に経営者と労働者はお互い思いやる心が必要なのですね。

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