この記事は賞与に関するトラブルの対応(1)について書かれています
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2010年04月29日

賞与に関するトラブルの対応(1)



 

 1.賞与支給日前の退職者に対して

   賞与を支給しないという定めの可否

  
  
  
 就業規則等において、賞与支給日に在籍している者

 のみ賞与を支給するという定めをしている例があり

 ます。これは「支給日在籍要件」と呼ばれます。

 賞与の賃金としての性格を重視すると、対象期間中

 勤務していたにもかかわらず、支給日前に退職した

 からといって賞与が支給されないのは、いささか酷

 であるようにも思われます。

 しかし、企業業績によって賞与の額や支給の有無が

 左右されることからも明らかなように、賞与は月例

 の給与とは異なり、労務を提供したからといって、

 当然に具体的請求権を取得するといった性格のもの

 ではありません。組合との妥結によって支給される

 場合には、労使間の合意、あるいは組合がない場合

 などは使用者による決定があってはじめて具体的な

 賞与請求権が発生します。

 このような賞与請求権の性格に照らすと、

賞与の支給について、どのような条件のも

とに、だれに、どのような方法で支給する

かは、公序良俗に反しない限り、労働協約

や就業規則において自由に定めることがで

きると解されます。




 そこで、支給日在籍要件が公序良俗に反するか否か

 という問題ですが、将来の勤務への期待に対して賞与

 を支給するという観点、あるいは一定の勤務継続を確保

 するといった観点から、

 支給日在籍要件を定めることは

合理性があり、公序良俗に反す

るものではないと考えられます。


 判例も、支給日在籍要件は有効としています。

 ちなみに学説には、自己都合退職者は自分で退職時期を

 選ぶことができるから支給日在籍要件も合理性はあるが

 定年退職や解雇された者は時期を選べないのだから

 支給日在籍要件を適用することは出来ないとする

 見解があります。

 しかし、判例は雇用期間満了による

退職の場合(カネボウ合繊事件)や

解雇となった場合(エジス事件)に

ついても支給日在籍要件による不支

給を認めています。





   

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