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2010年09月20日

不良社員に対する対応(3)



 

 1.横領の疑いのある社員に出勤停止を命じた後に

   行った懲戒解雇処分が二重処罰に該当の有無

  
  
  
 いったん懲戒処分として出勤停止に処したのであれば、さらに

 処分することは二重処分に該当しますので、もはや懲戒解雇は

 出来ません。しかし、懲戒処分でなく、調査のために、または

 処分を決定するまでの前置措置として就業を禁止したにすぎない

 場合には、その後に処罰したとしても二重処罰に該当することに

 はなりません。

 そうすると問題は、当該出勤停止が懲戒処分としてなされたもの

 なのか、業務命令によるものなのかということになります。

 これは要するに事実認定の問題となりますが、京王自動車事件

 (東京地裁平成10年11月24日判決)

 では、出勤停止命令書に「処分については追って通知する」

 との記載があったこと、懲戒処分としての出勤停止については

 無給と定められているところ、本件出勤停止については内勤

 手当が支払われていたことなどから、調査または処分を決定する

 までの前置措置として就業を禁止した業務命令であると認定

 しています。





 ところで懲戒権行使の効力については、懲戒権濫用法理により

 チェックがなされます。同法理の内容としては次のようなことがあげ

 られます。

 1.懲戒事由と懲戒処分の種類・内容が就業規則

   に定められ周知されていること

 2.遡及適用の禁止(あとから規定を作っても

   それを適用することは出来ない)

 3.二重処罰の禁止、あるいは一事不再理の原則

 4.相当性の原則として、処分と行為のバランス

   がとれていること

 5.平等取り扱いの原則として、前例との比較や

   他の者との取り扱いと均衡があること

 6.適正手続きの原則として、公正な調査がなさ

   れること、就業規則等に懲罰委員会の手続き

   が定められていれば、これを遵守すること

 7.弁明の機会が与えられていること

 

 ここでいう二重処罰の禁止(一事不再理の原則)とは、

 一度処分した行為について、蒸し返して再度処分すること

 を禁止するものです。

 この一事不再理の原則は刑法における原則ですが、懲戒処分

 についても該当するとされています。

 平和自動車交通事件(東京地裁 平成10年2月6日決定)

 では、

 「懲戒処分は、使用者が労働者のした企業秩序

 違反行為に対して行う一種の制裁罰であるから、

 一事不再理の法則は就業規則の懲戒条項にも該当

 し、過去に懲戒処分の対象となった行為については

 反省の態度が見受けられないことだけを理由として

 懲戒することもできない」


 としています。

 もっとも、懲戒処分のあとも非違行為を繰り返した

 場合、この処分後の行為について「非行について再三

 注意されても改悛の情がないとき」との懲戒事由に

 該当するとして処罰することは、処分暦を判断材料

 とするものの、同じ行為を二度処罰したわけではあり

 ませんから、二重処罰禁止の原則に違反するものでは

 ありません。



 





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