この記事はダラダラ残業と労働時間について書かれています
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2010年09月30日

ダラダラ残業と労働時間





  労働法の専門書を見れば、おおむね

  「労働時間」は次のように定義されて

  います。

  「労働者が使用者の指揮命令下に置かれて

  いる時間」


  最高裁、行政解釈とも同一の定義を行っています。

  とはいえ、この定義は大変抽象的であるため

  解釈上、多くの難問が生じることになります。

  その一つとして、製造工場などにおける更衣

  時間の問題があります。

  始業時間前に工場内の更衣室で更衣を済ませて

  おくことが義務付けられていた場合、労働者は

  場所的には使用者の支配下にはありますが、同

  更衣中に具体的な作業に従事しているものでは

  ありません。このような時間について、最高裁は、

  当該準備行為を事業場内において行うこと

  を使用者から「義務付けられ、又はこれを余儀

  なくされたとき」、労働者は「指揮命令下」に

  あるものと判断しています。


 (三菱重工業長崎造船所事件 平成12年3月9日最高裁判決)

  その他、裁判上よく問題となるものに、ビル警

  備業における夜勤勤務があります。ビル警備業務

  では、勤務時間中に宿直室において一定の仮眠を

  とることが許されている場合がありますが、仮眠

  時間が「労働時間」であるか否かが問題となるもの

  です。この時間について最高裁は、同仮眠時間が

  使用者の指揮命令下に置かれていない時間であるも

  のといえるためには、労働者が実作業に従事していない

  ことに加えて、当該時間に労働者が労働から離れることが

  保障されていることが必要であるとしています。

  具体的には仮眠時間中の待機や、電報電話等に対して

  直ちに相応の対応をとることが義務付けられている

  場合は、

  「労働からの解放が保障されていない」ことに

 なり、当該仮眠時間は「労働時間」に該当すること

 になります。


 (大星ビル管理事件 平成14年2月28日最高裁判決)




  同様の問題については、ホワイトカラー労働者の

  労働時間についても生じます。企画業務に従事して

  いる事務系社員の多くは、おおまかな仕事の計画と

  進捗状況を上司に報告することで管理がされており

  「分ないし時間刻み」で管理がされているケースは

  極めて稀と思われます。

  近時、労基署による指導が強化されたことに伴い

  企業実務上労働時間の管理方法が変りつつあります。

  以前は上司が時間外労働時間中の就労内容をリアル

  タイムにチェックすることはありませんでした。

  むしろ上司は、翌日あるいは月末に事務的に残業

  承認を行う形がほとんどでした。そのため、ホワイト

  カラー社員については、「特定の日に残業を何時間

  行うか」、直属上司から明確に「業務指示」されて

  残業を行うケースも極めて稀でした。

  このような状況の中、問題となるのが、上司からの

  残業指示なく行われた「残業」の時間の「労働時間性」

  です。ダラダラ残業は一般的に労務提供の量・質ともに

  低いものであります。そして、こうした状態はまさに

  上司からの指示がなされたわけではないのに、会社に

  残り、あるいは休日に出社して、「業務」に従事する

  場合に生じます。

  この問題については、そもそも上司の指示

  がないのに社内に留まっていることをとらえ、

  同時間は「使用者の指揮命令下にある時間」に

  該当せず、「労働時間性」はないとする考え方

  があり得ます。


  おそらく従来、労使双方ともにそのような考えであった

  と思われます。

  上司からの指示なく行った残業について、事後的に

  残業手当を請求することはまれでした。

  しかしながら、今日ではダラダラ残業をめぐる環境

  は激変しています。もはやダラダラ残業を企業・従業員

  ともに放置することは許されなくなっています。



  







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